国際

2006年7月 2日 (日)

写真で見る東京

 先日東京観光をした若いアメリカ人女性と話す機会があったので、街の印象などを聞いてみた。すると彼女はおもむろに東京で撮影した写真を出してきて、私に見せてくれた。一枚一枚見ていくと、そこには神社などのいわゆる観光名所の写真はほとんどなく、日本人からすれば「?」な写真ばかりだった。驚くと同時に、非常に興味深かった。

まず彼女のいちばんのお気に入りは、商店街の街灯などによくぶらさがっているビニール製の花飾りの写真だ。街並みはまったく入れず、ただ遠くまでつづく花飾りだけをとらえている。これが「すごくかわいい」と言う。次は工事現場などでよく見かける小型のショベルカー(パープルにピンクのライン)をアップで撮った写真だ。「ショベルカーまでかわいいなんて!」と感激したそうである。

他にはピンクのメイド服を来た女の子の写真(「おもしろい」から)、レストランで食べたメニュー、トトロと一緒に撮った写真(彼女はアニメファンだ)などがあった。楽しそうな彼女の様子を見ていたら、こっちが面白いものを見逃して損をしたような気がしてきた。

でも彼女が語る総合的な感想は「クリーンだ」とか「店の対応がいい」とか「電車が混んでいる」とか、比較的ありきたりなものだった。写真を見せてもらってはじめて、実際に何を感じたのか少し理解できたのである。写真がいい媒介になったのだ。

映像や写真を通じて物事を伝えるほうがいい場合がある。特に文化の違う者同士は話し合いだけで理解しあおうとするより、何かを両者の間に置いた方が関係がうまくいくことが多いような気がする。おそらくその方がお互いの相違点より共通点を見つけやすいからだろう。彼女もまずアニメから日本を理解しようとしていた。でもそれは写真でも動物でもスポーツでも音楽でもなんでもいいのだ。

彼女はもうアメリカに帰ったが、いつか日本に住もうと決心して日本語を勉強している。

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