経済・政治・国際

2008年5月24日 (土)

おばまさーん

 仕事、スパートかけまくっている(といっても限界あるけど・・・)。データ消滅事件があってからは、外付けHDD、フロッピーディスク、オンラインのファイル保存サービス、そしてパソコンのローカルディスクという四つの場所にデータを保存している。たとえ二つ、いや三つだめになっても大丈夫というわけ。これであんしん♪
 いよいよ小浜さん、じゃなかった、オバマさんが大統領になるかもなんだな。えらいこっちゃえらいこっちゃ。なんでえらいこっちゃかというと、もちろん有色人種だから。黒人だから。だって奴隷解放宣言は1863年で、ほんの150年前なんですよー! 
 1863年といえば、昔見たスコセッシの『ギャング・オブ・ニューヨーク』は勉強になったなあ。ディカプリオとダニエル・デイ=ルイスは品がよすぎて本物のギャングっぽくなかったけど、キャメロン・ディアスがかわいかった。スコセッシによると、最後の乱闘シーンは黒澤明の『乱』をイメージして撮影したそうだ。さて話はそれたけど、この映画の舞台がだいたい南北戦争前後のニューヨークなのだ。ヨーロッパから移民が次々やってきて、船を降りたとたんに軍服と銃を渡される、なんてシーンもあった。最後の乱闘シーンでは、徴兵に反対するアイルランド系移民の暴動とギャングの乱闘が入り乱れる。
 南北戦争のもともとの原因は、工業化した北部と農業しかない南部との利害の対立なんだけど、戦争にまで進んだきっかけは奴隷制廃止論だった。特に『アンクル・トムの小屋』が果たした役割は大きくて、これがベストセラーになって北部の奴隷廃止の世論がかなり盛り上がったらしい。南北戦争が短いアメリカの歴史で唯一の内戦だったことを考えると、人種差別がどれだけアメリカの歴史を左右してきたかうかがえる。
 奴隷制が廃止されたからといって人種差別はなくならなかった。レストランもバスも学校も白人とそれ以外は別々。日本からの移民だってもちろん差別されてたし、中国人移民にいたっては鉄道敷設の人柱にさせられた。アメリカは、人種差別をなくすまでに長い長い闘いを必要とした。というか、いまでもしている。表向きは差別してはいけないことになっているけど、実際にはあらゆる点で不利。それに200年以上にわたる奴隷制のせいで、黒人社会では家庭で親から子へ受け継がれる文化が根こそぎ奪われた。実はこういう部分がいちばん蘇生の難しいところじゃないだろうか。犯罪率の高さはそれが原因のような気がしてならない。
 そんなわけだから、アメリカで黒人が大統領になるっていうのは、天地がひっくりかえるようなことですよ、みなさん。なんで日本ではそういう視点であんまり騒がれないんだろ。小浜さんの先祖が奴隷じゃないから? でもじっさいに彼が就任したら、アメリカではお祭り騒ぎだろうな。
 さて、最近のマイブーム、星占いで小浜さんを見てみましょう。ざっと見てみると、やっぱり派手な人。まず太陽は若々しい獅子座。サビアンを見ると外交の駆け引きがうまそうな感じ。水星にはリリスがついているので、説得なんかが得意そう。目立つのは土星で、山羊座にあるので計画性があって、木星と合だからそれがさらに強調される。しかも火星とトラインなので、計画に沿って実行したことがちゃんと形になっていく感じ。ところでこの火星と水星のサビアンがすごい。「王家の紋章」と「アメリカ革命の娘」! なんだか豪華だなあ。この二つの天体のアスペクトは宿命的に結びついているので、言行も一致してる。それからアンチ・バーテックスにジュノーとイースト・ポイントがのっているので、しょちゅう人のために不正を見つけて正そうとし、それが名声につながっていく人だ。ただ気になるのは、人の意見を聞かないか、聞けない状態になるんじゃないかということ。ドラゴンテールが一人で決断するようなサビアンになっているし、太陽に蠍座の海王星がスクエアなので、深読みしすぎて墓穴掘ったりしそう。それに水瓶座の木星は、古いものを破壊するようなサビアンになっている。「若、あわてちゃいけません! あんまり急激な改革は混乱のもとですから」って進言してくれる家老みたいな人が現れてくれるといい。でもまだ若いからいいブレーンがつくかどうか心配・・・というわけで、どんな人材を集められるかがポイントじゃないでしょうか。出生時間がわかればもっと占えるんだけどな。
 それと、社会における姿である太陽にいいアスペクトがあんまりないのに、2003年に新しく発見されたエリスという天体がけっこうタイトなトラインになっているのが妙に気になる・・・。小浜さんは市民の草の根運動でここまでのしあがってきた人だということを考えると、エリスという天体にはインターネットなどを通じた「草の根」とか「集合知」、あるいは「下剋上」っていう意味が含まれているんじゃないのかなー。黒人である彼がトップになるってこと自体、下剋上だし。そういえばウィキペディアが大きくなってきたのも2003年ぐらいからだっけ。この天体の名前も意味も、早く議論が落ち着くといいなあと思う今日この頃なのでした。ちなみに、おばまさんてひらがなで書くとおばはんみたいだな。

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2006年6月 5日 (月)

英語教育の低年齢化について

おもしろい心理学の本を読んだ。内容は、西洋人(おもに英語圏の人々)と東洋人(おもに東アジアの人々)の間のものの見方や考え方の違いを、さまざまな実験をとおして解明しようとするもの。たとえば、水槽を泳ぐ魚を見せると、西洋人は魚の色や形は記憶しているが、水槽に水草があったかどうかなど周囲の背景はおぼえていない。東洋人はその逆で、魚よりも周囲の様子をよく記憶していた。そういった違いはあらゆる面に見られ、もう一つ例をあげると、西洋人はすぐに物事をカテゴライズしようとするが、東洋人はカテゴライズすることを嫌う。世界はそんなに単純なものではないと考えている。
 さらに、こうしたものの見方は使用する言語に大きく影響されていることが明らかになっていく。細かい内容は省くが、母語が中国語という人々の中でも、大きくなってから英語を学んだ人々と、子供のころから英語を学ぶ香港人のようなバイリンガルの人々とでは、だいぶ違うようだ。前者の人々は、中国語を使うときは東洋的な考え方をし、英語を使うときはかなり西洋寄りの考え方をする。二つを使い分けるのである。ところが後者の人々、つまり幼いときから二つの言語で暮らしてきた人々は、考え方が東洋と西洋の中間で、それは英語を使うときも中国語を使うときも変わらなかったという。
 ということは、大人になってから英語を学んだ人々は両方の考え方が見えるわけだから、当然その中間にあるものも見えるはずだ。つまり、幅広い視野を手に入れたことになる。一方どっちつかずの中間派は、損をしているような気がしてならない。
 日本でも小学校の英語教育がついに必修になったそうだが、語学の低年齢化は将来の国民の思考のあり方全体に重大な影響を与えかねない。
 必修化の理由のひとつとしてあげられるのが、おそらく日本人が英語に弱いために学問やITの進歩で世界に遅れをとるという説だろう。でもこれは本当かどうか疑わしい。研究者になれるぐらいの頭脳を持った人は、ものの二、三年あれば英語で論文が書けるようになってしまう。大人になってからでじゅうぶんだ。むしろじゅうぶんでないのは聞き取りのほうだが、そっちは小学生になってからではもう遅い。幼稚園に入ったらすぐさま本場のRやTHの発音を聞かせる必要があるだろう。またITに関してだが、将来サイバースペースはニッチな知的財産が強さを持つようになる。つまり、日本語で考え出したユニークな商品はヒットの可能性を秘めたニッチとして、大切な財産であり武器になる。
 アカデミックな世界で遅れをとっているというのは、大学の研究費や学生への奨学金が欧米にくらべ圧倒的に少ないのが主な原因ではないのか。だから大学の研究費を増やして、資源の少ない日本の知的財産を増やしておこうというのは、賛成だ。しかし、一部の有名大学だけに助成金を増やして残りは減らすというのが納得いかない。これは官僚たちのおもな出身大学が東大だからまかり通った政策だろう。視野の狭さが伝わってくる決定だ。優秀な研究者がいわゆる出世タイプではないために、規模の小さな大学に左遷されているケースも多々あるし、すぐれた学生が海外留学をして日本に帰ってきても、国内にコネがないために大学への就職で非常に不利だと聞いたこともある。こんな機会不平等こそ、立ち後れているそもそもの原因じゃないのか。

大人になってから英語をおぼえるのは大変、というなら、日本語だって同じだ。英語教育の低年齢化がすすめば、大人になっても簡単な漢字すら書けないという人間が巷にあふれることになるだろう。いや漢字は中国語だから、それが英語に置きかわるだけだという考え方もあるかもしれない。むしろいちばん恐いのは、日本語で考える頭脳を失うということだ。人は言語を使って物事を考える。逆に言えば、言語がしっかりしていないときちんと物事を考えることができないということだ。「書くと成長する」というのはそういうことである。中途半端な言語を持つということは、腰の弱い思考しかできなくなるということではないのか。いやそれとも、こうした混沌状態から何かまったく新しい思考が生まれることになるのだろうか。それはあと何十年も待たなければ答えが出ない。なんにしろリスクは高い。
 先ほどの心理学の本は、『The Geography of Thought』(by Richard Nisbet)で、『木を見る西洋人 森を見る東洋人』という邦訳が出ているので、興味のある方は読んでみてください。

木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか

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